2 ガンダム破壊命令
カイも出てくれば、セイラも出てくる。ヤシマも出てくるしリュウも出てくる。登場人物が一気にそろう第二回。
まずガンダム世界のジェンダーロールがすごく気になる。特にこの回はやたら「男」「女」言いまくる。 冒頭「民間人でもいいんだ!男手をまわしてくれ!」というセリフがある。男手か女手か。性別はめちゃくちゃ意識している世界なようだ。セイラがフラウに「そこの女の方!包帯ぐらいならまけるわね?」と言うシーンも女の人への決めつけがすごいし、ケアや治療、看護行為は女性がやることになっている。でも、リュウ・ホセイも艦長治療に参加している。 https://gyazo.com/dae6f07b20474e1cb6e8ba5feddba85b
クルーザー級のスペースグライダーのライセンスを持っている女性。運転等は男性のみの専売特許ではないというのがガンダム世界。そもそも操舵手に女性というのもこの時代だったら相当コンテンポラリーだったんじゃないか。ヤシマというのはどうも名の知れた名家のようなので「女」一般というよりも、ミライに特殊な事情という読み方もできてしまうが。
っていうか、ここまでの「男手」「女手」的な表現はミライやセイラの特殊性を表現するための、いわゆる「振り」って感じかもしれない。そしてミライもセイラも「いい家の女性」という共通点がある。
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「初陣には若すぎるが古来15-16歳の出陣がなかったわけではない」。苦しい言い訳だが、でも、この1か月でジオンも連邦も人工の半分を失ったわけでしょ。十代が戦争に出てもまったくおかしくない状況になってる。
カイ・シデン登場。これ、この名前も「紫電改」からの命名ですよね。こんな感じで命名規則が特にファーストガンダムは結構いい加減というか、ダジャレっぽい。そんなところも荒木飛呂彦みたいだ。 そんなカイをセイラが殴る。「それでも男ですか!軟弱者!」。ガンダムシリーズ、とにかく誰かが誰かを殴る。前回と今回で2回連続で殴ってる。 https://gyazo.com/66b78043b78e8d83764cc0541c937150
「赤い彗星」と言われるシャアだが、衣装の色を見ると赤いというより、ちょっとピンクっぽくて思わず「え???」となったシーン。後で振れるようにこの色なのには意味もあるようなのだが。 https://gyazo.com/bd78b0cb7e761f2ad7d481c4c14eeda5
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セイラが銃を取るシーン。自分は左利きなので、作中左利きが登場すると必ず気づいてしまう。まあ、ここは座席が右なので、左側にあるストレージから左手で銃を取りだしただけかもしれないが。って、それで「ん???」とひっかかってしまったのだが↓ って車がすべて右ハンドルじゃないか。
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日本のアニメなのだから当たり前だろって思うかもしれないけど、第一話でアムロが乗っていた車は左ハンドルだった。この世界の「ハンドル位置」はどういう設定になってるのか非常に気になってきた。
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第一話を見直してみると、アムロの乗ってる車だけ左ハンドル。コバヤシ家の車も右ハンドルだった。なにかほかの設定あるのかもしれないけど、アムロだけ特別(たとえばアムロだけアースノイド)ってことなのかもしれない。
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この色には意味があった。つまり、セイラとシャアは兄妹なのでは?という暗示だったわけだ。
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これがシャアの素顔。下三白眼。シャアって素顔を見せないわけではない。たまに見せることもあるんだけど、本当に一瞬なんだよね。だからこそ「おお」と引きずり込まれるっていう。この場面を録るのにめちゃくちゃ苦労した(笑)。それくらいの一瞬しか出てこない素顔。 この第2回はガンダムの強さとシャアの強さ、それぞれの熟練度などの表現が非常に上手い。まず、シャアのザクは通常のザクの3倍のスピードだという。シャアは一人で戦艦を5つも破壊したそうだ。
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シャアに対しては狙いを定めるも引き金を引けないアムロ。人間に向かって直接撃つ=人殺しだからだ。
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対するシャアは落ち着いたもの。「そうそう当たるもんじゃない」と言って余裕だ。ここでシャアのパイロットとしての能力の違いを表現してる。
その後、アムロはホワイトベースに向けて発射された弾丸をビームで撃ち落とす。弾丸のような大きさで動くものでも当てることができるのだから、シャアに向かって撃っても当てられたんじゃないかなあ。
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アムロ「やります!相手がザクなら人間じゃないんだ!僕だって.....」。ザクの中にだって人間は入ってるし、もう既に前回で2人、ザクの中に入ってる人間、ジーンとデニムを殺した後、なんならデニムにいたってはコックピット串刺しなのだけど、それでもアムロはこういう理解をしている。
ガンダム、敵の「ビビり」で主人公ガンダムの強さを表現するのがめちゃくちゃうまい。この作品以前にそういうことをしていた作品ってあったんだろうか。「バカな.....」とビビりまくるシャア。
シャアの攻撃はガンダムにまったく傷一つつけないのに、ガンダムのライフルは一撃でスレンダーを撃破。戦艦並みのビーム砲とのこと。
そしてコアファイターが出てくるとシャアは「何の変哲のない新型戦闘機か」。見たことないモビルスーツだから恐怖してるのではなくて、それくらいなら何とも思わないのだけど、ガンダムの戦闘能力だからビビってるっていう説明になってる(そのためだけに出てきてるコアファイター)。「何の変哲のない新型戦闘機」。字面がすごい(笑)。この不自然な字面をあえて口にさせてるんだと思う。 ミッションをなんとかこなして帰ってきたアムロに対して、ブライトのセリフがひどすぎる。
「ガンダムの性能を当てにしすぎる」
「戦いはもっと有効に行うべきだ」
「ガンダムを任されたからには貴様はパイロットなのだ」
「この船を守る義務がある」
「こう言わざるをえないのが現在の我々の状態なのだ」
お前も19歳で当時の基準からすると未成年。アムロがおそらく14か15だから、4つくらいしか変わらないのにこのえらそうな言いようったら。
「サイド7に帰れ」はこれだけ見ると「アムロくん、やりたくなければ帰っていいんだ」「これだけ言われてるんだから」という優しさなのかと思ったが、そのサイド7がそもそももう「人が住めない」くらい壊滅状態になっているんだから、ほぼほぼ詭弁というか「お前に選択肢はない!」の言い換えでしかなかったりする。
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アムロ「やれるとは言わない.....け、けどやるしかないんだ!」。
エヴァに乗れ、もう乗らせないなどと言う大人と、イヤだ乗りたくない、乗らせてください!とか言う碇シンジくんをさんざん見てきたから、選択肢なんかない、それが戦争だというリアリズムのつきつけが新鮮に見えるわ。